2011/11

議会の役割

2011/11/30 水曜日 - 23:02:08 by ICHII

11月定例岡山県議会が開会しました。10時から本会議。
知事の提案理由説明(いわゆる所信表明のようなもの)がありました。
今議会の議案で大きなものは、やはり、今後5年間の岡山県の総合的な計画である「第3次おかやま夢づくりプラン」です。

これから、岡山県がどこに向かい、何をやって、5年後にどうなろうとしているのか。
それがはっきりと、分かりやすく示されているか、かつお金もない中で本当にできるのか。

素案が示されて以来、何か月も考えてきましたが・・。
これを議会として議決する意味や重み、責任もあります。

質問戦での議論などを踏まえて、最終的に判断しなければなりません。
議会、議員の役割も問われています・・。

午後からは、議会改革についての勉強会がありました。
県議会全体で開いたもので、講師は法政大学の廣瀬克哉教授です。

お話の中で印象に残ったのは、議会は課題を明確化し、それを伝えるメディアだ、というところ。

知事は一人しかいないので、執行部から提出されるものは、一つの考え方によって作られています。
一方、議会にはたくさんの人がいて、しかも年齢や性別、地域、職業なども様々なので、多様な考え方や視点を持っています。
だから、知事(執行部)から示された政策や事業などに対して、「こんな考え方もある」「違う見方をすればこうなる」「この立場からはこう思う」などの意見が出てくるし、それによって、論点が明らかになります。
それが、議会の果たすべき大切な役割だ、というお話でした。

さまざまな立場、異なる意見や考え方が出てくることで、知事の提案がどういうものなのか、どういう立場や考え方によるものなのか、も、はっきりしてくる。
議会での議論を通じて、それが住民の皆さんにも伝わっていく。
そして世論の形成にもつながり、知事の提案の改善にもつながる。
それが議会の役割だ、というのは、なるほどな-、と思いました。
よく「チェック機能」と言われますが、もう少し前向きな(建設的な)感じかな。

しかし、例えば、第3次おかやま夢づくりプランについては、岡山県議会は、そういう役割を十分に果たしているだろうか。
ますます、責任の重さを感じます。

経済と人生と

2011/11/22 火曜日 - 23:16:33 by ICHII

13時から地域振興・観光・金融・雇用対策特別委員会。(長い名前・・。)

今日は、雇用対策についてでした。
中でも、高校生の就職に関して、質問をしました。

まず、大手志向について。
やはり、保護者も含め、そういう傾向があるそうです。
その原因を探り、地場の中小零細企業の求人とのマッチングをはかっていく必要があります。
「安心な気がする」「名前を知っている」企業ではなくても、優良企業やオンリーワン企業もあるし、やりがいや適性などから仕事を選んでいけるように、企業の情報を生徒にきちんと届け、働くことについて広い視野で考えられるように生徒を導いていく・・。
地域のためにも、生徒の人生のためにも、大事ではないかと思います。

女子の就職内定率について。
女子の方が男子より低いのです・・。
今年は62.2%で、昨年の同じ時期よりも9.1ポイントも上がっていて、男子は1.2ポイント下がっているのですが、それでも73.8%で、男子の方が高い。
理由は、女子が希望する販売やサービス業の求人が少ないから、だそうです。
じゃあ、どうしたらいいのか。もう少し調べて、考えなければ!と思います。

他にも、地域格差(若干、県北が低い)や課程(=工業とか商業とか)による違いや学んだことと就職先のずれなど、気になる課題がたくさんあります。
地域の経済を元気にし、岡山で誇りや喜びをもって働く人を増やすために、正面から取り組みたいです!

難しくて分かりにくいものこそ

2011/11/21 月曜日 - 23:42:49 by ICHII

10時から総務委員会。

11月県議会に提案される補正予算案や条例案などが示されました。
その他、防災関係や、県から市町村への事務・権限移譲などの報告もあったのですが、

気になったのが、試験研究機関の外部評価結果。
これは、工業技術センターとか農業研究所といった、県の試験研究機関の研究活動や体制、運営等について、外部の有識者が評価するものです。

外部評価を行う目的は、「厳しい財政状況の下、限られた行政資源を有効に活用し、試験研究を効率的・効果的に推進するため」なのですが、
評価委員に公認会計士など経営面の専門家が入っているのが、9のうち1つだけ。
どのように県民の皆さんや県の各分野の産業等に役立っているのか、という視点に強弱があるように感じられる。

研究は専門性が高いもの(=難しくて分かりにくい)なので、一般の県民の皆さんに理解していただくために、その辺に注意を払ってほしいな、と思います。
そのためには、評価はPDCAサイクルのCなのだから、どんな評価を行うか、を、各研究所や県の担当部署に任せるだけではなく、県としての方針を示すべきではないか、と意見を述べました。

現場に行くと、皆さん、熱心に研究に取り組んでくださっているし、成果も出ています。
でも、それをよりよいものにしていくこと、県民の皆さんに「役に立ってる!」「いい研究所だ!」と思ってもらえるようにしていくこと、が大事だと思います。

岡山で一番小さな村

2011/11/18 金曜日 - 23:37:39 by ICHII

旭川の源流の村、新庄村に、お話を伺いに行きました。

新庄村は、人口1000人。岡山県内で一番小さな自治体です。
でも、住民も役場も一体になって取り組んできた成果が、今、村を支えています。
たくさん視察に来られるそうですが、新庄村の10年か15年前を見るよう、だそうです。
もちろん、今も、これからもがんばり続ける新庄村です。

新庄村といえば、ヒメノモチですが、現在のブランドを築くまでに、30年かかっています。
最近では、田んぼも加工場も足りなくなりました。
絶対に値段を下げず、ブランドを守っている、とのこと。
その甲斐あって、ついに、ホテル西洋銀座のレストランのメニューに「ヒメノモチのリゾット」が入ることになったそうです!

さらに、4月には、「アジア有機農業プラットフォーム(連携活動)推進条例」を施行、有機農業のアジアの拠点をめざしています。
「本気でやる!」と、村長さんも熱く語っておられました。

森林セラピーも体験させていただき、癒されました-(笑)!
山や森林、樹木についても、知らないことをいっぱい教えていただきました。
写真は、ハンモックに揺られながら、そこから見える広葉樹の葉っぱのことやそれが落ちて作り上げるふかふかで保水力の高い土壌の話を聞いているところです。

・・と、何だか新庄村の営業マンみたいですが、
暮らしや仕事をどう守るか、お金をどうやって村の外から取ってくるか、村の中にどうやってお金を落とすか・・、
農家や林業の方とも、暗くなるまで、お話ししました。

現場に行かないと分からないことばかりです。
教えていただいたこと、気づいたこと、話し合って見えてきたこと・・。
その中から、何とか答えを見出していきたい、と思います。

子どもたちの「コミュニケーション能力」を伸ばす

2011/11/15 火曜日 - 23:20:22 by ICHII

勉強ができる子どもたちと、分からなくてやる気を失っている子どもたちに二極化している、
自分の気持ちをうまく伝えられなくてキレてしまう子どもが増えている、
企業が人材に最も求めているのは「コミュニケーション能力」だ・・。

そういった問題をどうしたらいいのか。

一つの方法として、文部科学省が進めている「芸術表現を通じたコミュニケーション教育」があります。

「話し合う・創る・表現する」ワークショップ、などと言われていますが、実際に見てみないと分からないよね-。
というわけで、劇作家・演出家である平田オリザさんの授業を見に行ってきました。

準備された対話劇の台本を使って、まずは書き換え、次は自分たちの劇を創って、発表(上演)します。

見学していて、すごい!と思ったのは、とにかく、参加していない子どもがいないこと。
ぼーっとしている子、よそ見をしている子、別のことをしている子、一人もいません。

終了後に担任の先生のお話も伺いましたが、ふだんのグループ学習でも、あんなに全員が積極的に意見を言うことはありません、とおっしゃっていました。
クラスやいつものグループの中での関係や役割とは変わって、大人しい子がどんどん提案したり、仕切り屋の子が「そんなんええやん」と言われちゃったり。

しかも、自分の考えを他の子に説明し、他の子の意見も聞きながら、時間内に破綻のない世界を作り上げていく。
つまり、結論を出して、発表する、ということが、ちゃんと行われていました。

授業が終わってから、子どもたちが平田さんにサインを求めて、行列ができていました。
きっと、ずっと長く心に残る授業になるでしょう。
そしてその記憶が、その子の力になると思います。

財政と県の「やりたい」ことと

2011/11/14 月曜日 - 23:05:07 by ICHII

10時から総務委員会。

11月補正予算の協議額が示されました。
総額51億3500万円。
その内、緊急防災・災害対策分が55億4100万円で、内数の方が大きいという、見た目、不思議な予算なのですが、これは、国の補助金等の金額が確定して、それに合わせて減らす分の方が大きいから。

災害復旧は必要な事業ですが、国の補正予算もあり、財政規律がどうなっているのか、気になるところです。公共事業の地方負担額が枠内に収まっているのかどうか尋ねましたが、若干上回った、との答弁・・。

第3次おかやま夢づくりプランの修正案も出されました。
これも、全て実行したら相当な財政負担が予想されますが、どのくらいの事業費を想定しているのか、は示されていません。
しかも、かなり具体的な新規事業も書かれているので、こういうものも含めて、実行についてどう考えているのか聞きました。
答弁は、毎年の予算編成過程の中で検討する、というもの。今回の修正案で新しく加えられた「岡山モデル」もプラン全体も、同じく、「やりたい」という思いで書いたもの、だそうです。
うーむ・・。「思い」ですか・・。

財政危機宣言を出し、取り組んできた財政構造改革もまだ終わらない中で、財政的な裏付けのない「やりたい」という「思い」だけでは、プランの実現はおぼつかない感じがします。
書いてある中から出来ることをする、のでは、メニューみたいです・・。

台風第12号への対応に関する検証会議(第2回)についての報告もありました。
避難勧告や指示の周知などについては検討されたようでしたが、そもそも広範囲に被害が出た場合に、住民を十分に受け入れられるだけの避難所スペースがあるのか、前回に続いて尋ねたのですが、今回も議論しなかったとのこと。
私立大学や民間の管理地、県有施設などを避難場所・避難所にする取り組みは進んでいるようですが、その際の課題や役割・責任の分担の整理も、併せて行ってほしい、と、これも何度目かになりますが、意見を述べました。

防災は、県民の皆さんの生命や財産を守る、大事な施策です。
気になる課題は、何度でも言い続けようと思います。

会派を超えて改革や活性化に取り組む大分県議会

2011/11/11 金曜日 - 23:21:22 by ICHII

議会運営委員会では、大分県議会にも調査に伺いました。

大分県議会でも、予算委員会や決算委員会を設置したり、一般質問のやり方を工夫したり(一括質問と一問一答と分割質問の3つから選択する)、といったことをされています。

岡山や沖縄と違う特徴的な取り組みは、議会基本条例の制定や、「出前県議会」です。

「出前県議会」とは、「開かれた県議会」をめざして、県内各地で、県議会の活動を報告したり地域の方々と意見交換をしたりする、というものです。
地域とテーマを決めて、地元議員やテーマに関係する常任委員会の委員長、議会の広報委員会のメンバーなどが参加するそうです。
いただいた報告書を見ると、そのテーマに地域で取り組んでいる方々とのパネルディスカッションみたいな印象です。

もう一つ、大分県議会の特徴だな、と思うのは、県議会の中に、各会派から参加して、議会改革や活性化について検討する組織を作り、そこで議論しながら進めていることです。
今も、「新政策構築協議会」と「議会議論活性化協議会」の2つの協議会があります。
「出前県議会」や「議員出前講座」などに関わっている広報委員会も含め、会派を超えて取り組んでいるそうです。

議会全体として前に進んでいくためのやり方として、参考になります。

今回の県外調査でも、議会によって異なる点がたくさんあると感じました。
岡山らしい、県民の皆さんが「声が届いているな」「議員もがんばってるな」と思っていただけるような議会にしていきたいです。

琉球政府の立法院だった沖縄県議会

2011/11/09 水曜日 - 23:23:55 by ICHII

議会運営委員会の県外調査で沖縄へ。

空港では、きれいな熱帯魚が迎えてくれました。

ニョロニョロも!

さて、本題の沖縄県議会ですが、
一般質問に、一問一答方式を取り入れていること、
予算委員会と決算委員会を、その時期だけ別途設置していること
が、岡山県と違っている特徴です。
(岡山県には一問一答や予算委員会はなく、決算委員会はふつうの特別委員会の一つに位置づけられています。)

代表質問でも再質問を(持ち時間の内なら)何度でもできる(岡山県は再質問なし)とか、一般質問は希望者全員がすることができる(岡山県は会派に人数に応じて配分される)、というのも違う点です。

一般質問では、最初の質問と答弁はそれぞれまとめて行いますが、再質問から一問一答になるそうです。

再質問からは、写真の一番下にある「質問者席」で質問し、知事などは自席で答弁します。
写真にも大きな画面が写っていますが、質問の様子は、左右にある画面に映し出されるので、傍聴席からもよく見えるようです。中継も同じ映像を使っているとのこと。

一問一答の様子をビデオで見せていただきましたが、国会の委員会質疑などのような感じで、迫力がありました。

沖縄県議会は琉球政府の立法府だったこともあり、大変、議論が盛んな議会のようです。
以前は、一般質問の本会議を、10時に始めて夜の8時、9時までやっていたのが、一問一答を始めてからは、7時くらいに終わるようになったそうです。
職員の方にお聞きすると、予算委員会でも、国会の予算委員会のように、予算以外のことも質問するなど幅広い議論が行われているし、知事も反問に近い発言をすると言われていました。

制度と同時に、よく議論する議会であるということも、活発な議論の一因なのだと感じました。
岡山県議会でも、制度を作れば終わりではなく、よりよい議論が行われるためにはどうすればいいか、も考える必要があります。