地方自治経営学会研究大会初日。
午前中のパネルディスカッションは、4名のパネリストからそれぞれ面白いお話が聞けました。
ふるさと納税の発案者である福井県知事は、自治体間競争が生まれ、寄付額という形で結果が客観的に表れるとか、寄付の文化=民との協働が日本に根付くといった可能性をふるさと納税に見ている、と言っておられました。
富山市長の、自らの考え方をはっきりと示し、施策を市民に十分説明して、一緒にやろう、と呼びかける姿勢は印象的。どんなビジョンも全員から賛成されることはないわけで、すぐれたリーダーシップだと思います。
自主財源を確保し、強固な財政基盤を確立するために、中小企業への経済政策に力を入れている、といった点にも共感しました。
朝日新聞の坪井編集委員が強調されたのは、世論との向き合い方。
飯尾先生は、三位一体改革から何を学ぶべきか、を指摘。簡単に言うと、「国が」やったから、交付税が削られたり、補助金の数は減らずに補助率が下げられたり、むしろ中央集権が進み、分権反対のムードさえ出てきたのだ、ということ。
地方分権を実現するためには「地方が」自分たちの手でやらなければならないし、地方だって一つではないわけで、違いを出していくべきではないか、というお話は、とても示唆に富んでいると思います。
残念ながら、議論としてはあまり発展せず、個別にミニ講演した方が充実してたかも?
←700人を超える参加者!
午後の4コマの中では、嘉田滋賀県知事のお話が心に残りました。行政や科学者の目的合理性に基づいたHOWの施策と、生活者の人々の願いや思いを形にするための総合的なWHYの施策とを、結びつけるのが地方自治体の仕事である、という主張は、私自身の「行政も一生懸命やっているはずなのに、どうしてこうなっちゃうんだろう?」という問題意識と重なるもので、「その通り!」という感じでした。
最後はさすがにおしりが痛くなってきましたが、明日もがんばって勉強します!