経済と人生と

2011 年 11 月 22 日 - 11:16 PM by ICHII

13時から地域振興・観光・金融・雇用対策特別委員会。(長い名前・・。)

今日は、雇用対策についてでした。
中でも、高校生の就職に関して、質問をしました。

まず、大手志向について。
やはり、保護者も含め、そういう傾向があるそうです。
その原因を探り、地場の中小零細企業の求人とのマッチングをはかっていく必要があります。
「安心な気がする」「名前を知っている」企業ではなくても、優良企業やオンリーワン企業もあるし、やりがいや適性などから仕事を選んでいけるように、企業の情報を生徒にきちんと届け、働くことについて広い視野で考えられるように生徒を導いていく・・。
地域のためにも、生徒の人生のためにも、大事ではないかと思います。

女子の就職内定率について。
女子の方が男子より低いのです・・。
今年は62.2%で、昨年の同じ時期よりも9.1ポイントも上がっていて、男子は1.2ポイント下がっているのですが、それでも73.8%で、男子の方が高い。
理由は、女子が希望する販売やサービス業の求人が少ないから、だそうです。
じゃあ、どうしたらいいのか。もう少し調べて、考えなければ!と思います。

他にも、地域格差(若干、県北が低い)や課程(=工業とか商業とか)による違いや学んだことと就職先のずれなど、気になる課題がたくさんあります。
地域の経済を元気にし、岡山で誇りや喜びをもって働く人を増やすために、正面から取り組みたいです!

難しくて分かりにくいものこそ

2011 年 11 月 21 日 - 11:42 PM by ICHII

10時から総務委員会。

11月県議会に提案される補正予算案や条例案などが示されました。
その他、防災関係や、県から市町村への事務・権限移譲などの報告もあったのですが、

気になったのが、試験研究機関の外部評価結果。
これは、工業技術センターとか農業研究所といった、県の試験研究機関の研究活動や体制、運営等について、外部の有識者が評価するものです。

外部評価を行う目的は、「厳しい財政状況の下、限られた行政資源を有効に活用し、試験研究を効率的・効果的に推進するため」なのですが、
評価委員に公認会計士など経営面の専門家が入っているのが、9のうち1つだけ。
どのように県民の皆さんや県の各分野の産業等に役立っているのか、という視点に強弱があるように感じられる。

研究は専門性が高いもの(=難しくて分かりにくい)なので、一般の県民の皆さんに理解していただくために、その辺に注意を払ってほしいな、と思います。
そのためには、評価はPDCAサイクルのCなのだから、どんな評価を行うか、を、各研究所や県の担当部署に任せるだけではなく、県としての方針を示すべきではないか、と意見を述べました。

現場に行くと、皆さん、熱心に研究に取り組んでくださっているし、成果も出ています。
でも、それをよりよいものにしていくこと、県民の皆さんに「役に立ってる!」「いい研究所だ!」と思ってもらえるようにしていくこと、が大事だと思います。

岡山で一番小さな村

2011 年 11 月 18 日 - 11:37 PM by ICHII

旭川の源流の村、新庄村に、お話を伺いに行きました。

新庄村は、人口1000人。岡山県内で一番小さな自治体です。
でも、住民も役場も一体になって取り組んできた成果が、今、村を支えています。
たくさん視察に来られるそうですが、新庄村の10年か15年前を見るよう、だそうです。
もちろん、今も、これからもがんばり続ける新庄村です。

新庄村といえば、ヒメノモチですが、現在のブランドを築くまでに、30年かかっています。
最近では、田んぼも加工場も足りなくなりました。
絶対に値段を下げず、ブランドを守っている、とのこと。
その甲斐あって、ついに、ホテル西洋銀座のレストランのメニューに「ヒメノモチのリゾット」が入ることになったそうです!

さらに、4月には、「アジア有機農業プラットフォーム(連携活動)推進条例」を施行、有機農業のアジアの拠点をめざしています。
「本気でやる!」と、村長さんも熱く語っておられました。

森林セラピーも体験させていただき、癒されました-(笑)!
山や森林、樹木についても、知らないことをいっぱい教えていただきました。
写真は、ハンモックに揺られながら、そこから見える広葉樹の葉っぱのことやそれが落ちて作り上げるふかふかで保水力の高い土壌の話を聞いているところです。

・・と、何だか新庄村の営業マンみたいですが、
暮らしや仕事をどう守るか、お金をどうやって村の外から取ってくるか、村の中にどうやってお金を落とすか・・、
農家や林業の方とも、暗くなるまで、お話ししました。

現場に行かないと分からないことばかりです。
教えていただいたこと、気づいたこと、話し合って見えてきたこと・・。
その中から、何とか答えを見出していきたい、と思います。

子どもたちの「コミュニケーション能力」を伸ばす

2011 年 11 月 15 日 - 11:20 PM by ICHII

勉強ができる子どもたちと、分からなくてやる気を失っている子どもたちに二極化している、
自分の気持ちをうまく伝えられなくてキレてしまう子どもが増えている、
企業が人材に最も求めているのは「コミュニケーション能力」だ・・。

そういった問題をどうしたらいいのか。

一つの方法として、文部科学省が進めている「芸術表現を通じたコミュニケーション教育」があります。

「話し合う・創る・表現する」ワークショップ、などと言われていますが、実際に見てみないと分からないよね-。
というわけで、劇作家・演出家である平田オリザさんの授業を見に行ってきました。

準備された対話劇の台本を使って、まずは書き換え、次は自分たちの劇を創って、発表(上演)します。

見学していて、すごい!と思ったのは、とにかく、参加していない子どもがいないこと。
ぼーっとしている子、よそ見をしている子、別のことをしている子、一人もいません。

終了後に担任の先生のお話も伺いましたが、ふだんのグループ学習でも、あんなに全員が積極的に意見を言うことはありません、とおっしゃっていました。
クラスやいつものグループの中での関係や役割とは変わって、大人しい子がどんどん提案したり、仕切り屋の子が「そんなんええやん」と言われちゃったり。

しかも、自分の考えを他の子に説明し、他の子の意見も聞きながら、時間内に破綻のない世界を作り上げていく。
つまり、結論を出して、発表する、ということが、ちゃんと行われていました。

授業が終わってから、子どもたちが平田さんにサインを求めて、行列ができていました。
きっと、ずっと長く心に残る授業になるでしょう。
そしてその記憶が、その子の力になると思います。

財政と県の「やりたい」ことと

2011 年 11 月 14 日 - 11:05 PM by ICHII

10時から総務委員会。

11月補正予算の協議額が示されました。
総額51億3500万円。
その内、緊急防災・災害対策分が55億4100万円で、内数の方が大きいという、見た目、不思議な予算なのですが、これは、国の補助金等の金額が確定して、それに合わせて減らす分の方が大きいから。

災害復旧は必要な事業ですが、国の補正予算もあり、財政規律がどうなっているのか、気になるところです。公共事業の地方負担額が枠内に収まっているのかどうか尋ねましたが、若干上回った、との答弁・・。

第3次おかやま夢づくりプランの修正案も出されました。
これも、全て実行したら相当な財政負担が予想されますが、どのくらいの事業費を想定しているのか、は示されていません。
しかも、かなり具体的な新規事業も書かれているので、こういうものも含めて、実行についてどう考えているのか聞きました。
答弁は、毎年の予算編成過程の中で検討する、というもの。今回の修正案で新しく加えられた「岡山モデル」もプラン全体も、同じく、「やりたい」という思いで書いたもの、だそうです。
うーむ・・。「思い」ですか・・。

財政危機宣言を出し、取り組んできた財政構造改革もまだ終わらない中で、財政的な裏付けのない「やりたい」という「思い」だけでは、プランの実現はおぼつかない感じがします。
書いてある中から出来ることをする、のでは、メニューみたいです・・。

台風第12号への対応に関する検証会議(第2回)についての報告もありました。
避難勧告や指示の周知などについては検討されたようでしたが、そもそも広範囲に被害が出た場合に、住民を十分に受け入れられるだけの避難所スペースがあるのか、前回に続いて尋ねたのですが、今回も議論しなかったとのこと。
私立大学や民間の管理地、県有施設などを避難場所・避難所にする取り組みは進んでいるようですが、その際の課題や役割・責任の分担の整理も、併せて行ってほしい、と、これも何度目かになりますが、意見を述べました。

防災は、県民の皆さんの生命や財産を守る、大事な施策です。
気になる課題は、何度でも言い続けようと思います。

会派を超えて改革や活性化に取り組む大分県議会

2011 年 11 月 11 日 - 11:21 PM by ICHII

議会運営委員会では、大分県議会にも調査に伺いました。

大分県議会でも、予算委員会や決算委員会を設置したり、一般質問のやり方を工夫したり(一括質問と一問一答と分割質問の3つから選択する)、といったことをされています。

岡山や沖縄と違う特徴的な取り組みは、議会基本条例の制定や、「出前県議会」です。

「出前県議会」とは、「開かれた県議会」をめざして、県内各地で、県議会の活動を報告したり地域の方々と意見交換をしたりする、というものです。
地域とテーマを決めて、地元議員やテーマに関係する常任委員会の委員長、議会の広報委員会のメンバーなどが参加するそうです。
いただいた報告書を見ると、そのテーマに地域で取り組んでいる方々とのパネルディスカッションみたいな印象です。

もう一つ、大分県議会の特徴だな、と思うのは、県議会の中に、各会派から参加して、議会改革や活性化について検討する組織を作り、そこで議論しながら進めていることです。
今も、「新政策構築協議会」と「議会議論活性化協議会」の2つの協議会があります。
「出前県議会」や「議員出前講座」などに関わっている広報委員会も含め、会派を超えて取り組んでいるそうです。

議会全体として前に進んでいくためのやり方として、参考になります。

今回の県外調査でも、議会によって異なる点がたくさんあると感じました。
岡山らしい、県民の皆さんが「声が届いているな」「議員もがんばってるな」と思っていただけるような議会にしていきたいです。

琉球政府の立法院だった沖縄県議会

2011 年 11 月 9 日 - 11:23 PM by ICHII

議会運営委員会の県外調査で沖縄へ。

空港では、きれいな熱帯魚が迎えてくれました。

ニョロニョロも!

さて、本題の沖縄県議会ですが、
一般質問に、一問一答方式を取り入れていること、
予算委員会と決算委員会を、その時期だけ別途設置していること
が、岡山県と違っている特徴です。
(岡山県には一問一答や予算委員会はなく、決算委員会はふつうの特別委員会の一つに位置づけられています。)

代表質問でも再質問を(持ち時間の内なら)何度でもできる(岡山県は再質問なし)とか、一般質問は希望者全員がすることができる(岡山県は会派に人数に応じて配分される)、というのも違う点です。

一般質問では、最初の質問と答弁はそれぞれまとめて行いますが、再質問から一問一答になるそうです。

再質問からは、写真の一番下にある「質問者席」で質問し、知事などは自席で答弁します。
写真にも大きな画面が写っていますが、質問の様子は、左右にある画面に映し出されるので、傍聴席からもよく見えるようです。中継も同じ映像を使っているとのこと。

一問一答の様子をビデオで見せていただきましたが、国会の委員会質疑などのような感じで、迫力がありました。

沖縄県議会は琉球政府の立法府だったこともあり、大変、議論が盛んな議会のようです。
以前は、一般質問の本会議を、10時に始めて夜の8時、9時までやっていたのが、一問一答を始めてからは、7時くらいに終わるようになったそうです。
職員の方にお聞きすると、予算委員会でも、国会の予算委員会のように、予算以外のことも質問するなど幅広い議論が行われているし、知事も反問に近い発言をすると言われていました。

制度と同時に、よく議論する議会であるということも、活発な議論の一因なのだと感じました。
岡山県議会でも、制度を作れば終わりではなく、よりよい議論が行われるためにはどうすればいいか、も考える必要があります。

流されない老舗商人のまち、小布施。

2011 年 10 月 28 日 - 11:52 PM by ICHII

県外調査2日目の午後は小布施町。3日目は安曇野市に伺って、帰岡しました。

小布施町の修景事業については、川向正人さんの「小布施 まちづくりの奇跡」(新潮新書)を読んで、強く興味を持っていたので、一度現地に行ってみたかった!のです。

その美しさは、写真でご覧ください。

副町長のお話を聞いて、なるほど、と思ったのは、
観光や経済との関係を尋ねたところ、
千曲川沿いの古くからの商業集積地なので、人の賑わいがあれば、情報が集まり、いずれ何かにつながる、と考えている。そういう老舗商人の哲学だ、
と答えられたこと。

そもそも、こんな独自の修景事業を考え、実行するのも、流されない老舗商人の哲学だと感じました。

複数の大学の研究所が町内に開設されていますが、これについても、短期的な成果を求めておらず、大学(生)の側の意欲に任せ、調査研究の結果や提案を活用する、という姿勢でした。
町に若者が少ないので、大学生が来てくれるのはいいことだ、というスタンスも同じです。

地方の、しかも小さな町だからこそ、流されない哲学が大切なのだ、と思います。

レタスで年に平均2500万売り上げる川上村

2011 年 10 月 27 日 - 11:47 PM by ICHII

県外調査2日目。

午前中は川上村に伺いました。
高原野菜で有名で、特にレタスの生産量は日本一です。

レタスを作り始めたのは、朝鮮戦争がきっかけ。
アメリカ軍の重要な食料であるサラダの材料として、川上村がレタスの産地に選ばれたのです。アメリカ軍の指導の下、生産を始め、高値で売れたそうです。
朝鮮戦争後も、日本の食文化が西洋化しているから有望、と考え、しかも、これといった産業のない村ではレタスしかない!と、一丸となってがんばった。このがんばりが、農地の拡大や、1k㎡メッシュの天気予報を全国に先駆けて導入したり、毎夕その日の市況情報を村内に放送するなど、先進的なものでした。

その甲斐あって、今や、年に平均2500万円を売り上げる村になりました!
600戸の農家で、年間30億円以上の農業所得をたたき出しています。すごい・・・。

最盛期は、早い人は午前0時から収穫を始め、途中、朝食をとって昼間で収穫や出荷を続け、午後2時間ほど昼寝したらまた続けて、日に15時間くらいは働くそうで、夏場は本当にしんどい仕事だそうです。
その代わり、冬は農閑期で、のんびりと好きなことをして過ごすので、文化センターや図書館は大盛況。

どの農家も若い人が後を継ぐので、毎年、20人から30人の新規就農があります。耕作放棄地はゼロだし、後継ぎはたくさんいるし、で、全く新しい人が始めるのは難しいようです。

今でも、新たな販路として輸出に取り組んだり、プロ野球のナイターやサッカーの試合の冠スポンサーをしたり、渋谷や新宿の交差点のオーロラビジョンでのCM、キューピーとタイアップしたマヨネーズとセットでの販売促進など、本当にさまざまな努力と工夫を続けておられ、それもさすが、素晴らしいことだなぁ、と思いました。

まさに、農業が産業として成り立っていることをまざまざと見せられ、学ぶものがとてもたくさんありました。
岡山でも、農業を若い人たちが帰ってきて働く仕事にしたいです!

「文化経済自立都市」をめざす飯田市

2011 年 10 月 26 日 - 11:56 PM by ICHII

地域振興・観光・金融・雇用対策特別委員会の県外調査、初日。

長野県飯田市に伺いました。
到着してすぐに、りんごの木を核にした中心市街地や、

市内を回る電気バス(無料!)に乗る保育園の子どもたちの姿を目にしました。

飯田市では、
大都市に人口が偏っている中で人口が減っていくのだから、これまでのように、都市のお金を地方に再配分する、というしくみはもう無理だ!
という認識の基で、持続可能な地域づくりに取り組んでおられます。(深く、同感!)

定住自立圏による地域医療の確保もすぐれた取り組みでしたが、
毎年つくる「地域経済活性化プログラム」もすごい。

地域の経済自立度を上げよう!という高い目標をもって、たくさんのプロジェクトを行っています。
食農、航空宇宙、環境の地域産業クラスターからは、特産の市田柿の皮むき機やLED防犯灯の開発など、それぞれに成果が生まれています。

行政と民間がスクラムを組んで現場で企画し、実行するために、行政の部署の事務所を関係する現場に置いたり、一緒に行動して総力をあげるように、関係団体との合同事務所をつくったり、
スタートアップの補助金と、銀行などの融資の間をつなぐ政策金融を市で行うための金融政策室を設置したり、
と、興味深い取り組みもされています。
この辺は、時間がなくて詳しく聞けなかったので、改めて調べたいと思っています。

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