児童文学の中の「郷土」
2009/02/07 土曜日 - 23:37:16 by ICHIIおかやま地域資源研究会が主催した講演会「岡山と坪田譲治の文学:千葉省三・新美南吉と比べる郷土の風景」を聞きに行きました。
千葉大学の佐藤宗子先生の講演は、3人の作家のテキストを比較しながら、そこから現れてくる風景やその広がり、時代の流れに対する感覚などを考えるものでした。
作家自身の郷土の風景や人生、その時期などが作品に与える影響と、テキストの中から普遍的に感じ取れるものとの関係やその間の行き来。
これまで読んできたたくさんの文学作品からくみ取ったものが豊かに広げた世界と、それらの一種の限界の、両方から私が形作られているのだなぁ・・と思うと面白い。
また、比較することで、坪田譲治の描く、閉じられて自足している静かな風景とその中に忍び込んでいる不安の独自性が際立ってきて、どうしてそうなのかな・・、岡山という土地が惹き起こしているところはあるのかな・・、などなど、考えを巡らせ始めるときりがなくなるのでありました。