「財政構造改革プラン」は、達成できない。
2012 年 2 月 6 日 - 11:46 PM by ICHII
10時から、総務委員会。
防災強化検討プロジェクトチームの報告や、岡山県地域防災計画の修正とパブリックコメントの募集など、防災関連や、
復興財源の特例法に基づく、個人県民税均等割の税率引き上げ(26年度から10年間、年額500円上がります)、
NPO条例改正のパブリックコメントの結果など、
重要案件が目白押しでした。
が、やはり、歳入を含めた来年度予算の概要が示されたのが、一番大事なところ。
説明のため、副知事が出席されました。
私からは、まず、2点について質問しました。
1つめは、財政調整基金を20億円取り崩して、歳入にしていること。
これまで、岡山県の当初予算でこのようなやり方をしたことはないはずです。
というのは、財政調整基金の取り崩しは、本来、歳入が足りない時に行う「臨時的歳入対策」だからです。
しかも、財政調整基金は、設置条例でも決められていますが(5条)、本来、経済状況の大変動とか災害とか、そういう時にしか、崩してはいけないものなので、そういう意味でも、おかしい。
来年度予算の収支見込はゼロの見込み、との説明があったのですが、収支不足はありませんよ、ということを演出するために、普通はやらない手法で、つじつま合わせをしたということではないか?
2つめは、昨年8月の収支見通しでは、来年度は+35億円だったわけで、本当は収支不足である財政調整基金の取り崩し分20億円と合わせれば、55億円マイナスしたことになります。
給与カットで115億円歳出削減しているから、何とか成り立っている予算なのです。
こうなった最大の理由は、財政構造改革プランの歳入確保対策が目標を達成できていないからではないか?
1つめについては、
昨年度、地方交付税のもらい過ぎが生じて、その分を3年間で精算する(=交付税を減らされる)ことになったので、もらい過ぎ分を基金に積んでおいて、交付税の代わりに使うつもりだった。最初からそういうつもりで積んでいたので、通常の財政調整基金とは違う、という整理です。
という答弁でしたが、
そもそも、これまでも交付税の精算措置はあったけれど、岡山県では、財政調整基金には積んでこなかったわけで、異例なことをしたのは、明らかだと思います。
2つめについては、大きな下ブレを認め、歳入確保対策の目標達成が難しいことに加えて、国の地方財政対策の内容も大きく影響しているということで、数字を挙げて丁寧に説明がありました。
来年度は、財政構造改革プランの最終年度ですが、私は、これでは達成できていないと思います。
その大きな理由は、プランに掲げた、新たな超過課税の導入ができなかったこと(20億円マイナス)。この間、提案すらされなかった。
確かに、増税というのは難しい課題ですが、取り組まなければ、始まりもしない。スタートしないのに、できるはずがありません。
副知事に、そのことについてのお考えをお聞きして、質問を終わりました。
副知事は、2008年当時、公営企業管理者として、財政構造改革プランの策定に深く関わっておられ、その後も、副知事として、県財政の運営に、責任ある立場で関わってこられたからです。
外的な要因はやむを得ないこともありますが、自らの努力は自らの責任だと思います。
残念です。