加藤周一
2008 年 12 月 14 日 - 11:34 PM by ICHII
12月5日に加藤周一さんが亡くなりました。
ああ、ついに!という思いで訃報を聞きました。
知識人と呼ぶべき人であり、失われたものの大きさは何によっても埋められないほどだと思います。
その加藤周一さんのラストメッセージを伝えた番組 ETV特集「加藤周一 1968年を語るー”言葉と戦車”ふたたびー」を見ました。
1968年のパリ五月革命、プラハの春、シカゴ事件、そして東大安田講堂事件を頂点とする日本の学生運動の映像と、それらを通して暴力・権力と言論について考えた著作「言葉と戦車」の引用、この夏に病をおして応じたインタビューによって構成されていました。
加藤さんの話は、秋葉原無差別殺人に象徴される現代の閉塞やその暴発におよびました。
著作によって深い思想を広めるという知識人の責務について語り、最後に述べたのは「何が敵なのかをよく知らなければならない。」
私たちは、人間の知性によって、社会の問題や暴力の問題に向かっていかなければならないのだ、と考えを重ねる90分でした。