「不正経理」問題 つづき
2008 年 10 月 22 日 - 11:06 PM by ICHII
国庫補助金「不正経理」の報道が続いていますが、マスコミは、問題の本質を突いていない、と思います。
県の関連部署のヒアリングをいくつか行っていますが、改めてその感を強くしています。
補助金制度自体の問題点や、国の担当省庁との関係について触れずに、この件を正しく伝えることはできないはずです。
補助金の使途が、実態に合わないほど事細かに決まっていること、
分からないことがあれば、県は担当省庁に尋ねているし、事業の報告をして国のチェックを受けてからでないと補助金は確定しないので、担当省庁のお墨付きはもらっていること、
補助金の交付決定の時期をはじめ、国の都合で進むスケジュールに振り回されて、不自然な執行を余儀なくされることが多いこと、
単年度予算主義の下で、使い残しや繰り越しが簡単には認められず、年度末に予算執行が集中すること、
などなど、多くの問題があります。
細かい補助金要綱の解釈のグレーゾーンは、おそらくどこの県にもあるでしょう。
担当省庁と会計検査院の解釈の違いもあります。
そのどこまでが制度内で許される範囲なのか、補助金制度自体や国の都合に合わせる執行の問題点をどうするのか、真に効率的な税金の使い方はどうあるべきなのか、などをきちんと考える必要があると思います。
加えて、会計検査院がまだ発表していない調査の情報が、なぜ、今、この時期に、詳細に報道されているのか、についても不審を抱いています。
誰が何の意図で、か分かりませんが、自治体いじめにしかならないようなことはやめてほしいです。
もちろん、裏金や横領は許されません。
しかし、問題の本質を見極めた報道をしていただきたいと思うし、県もしっかり声をあげるべきです。