カネミ油症仮払金返還免除法案
2006 年 11 月 29 日 - 11:41 PM by ICHII
「カネミ油症事件」を知っていますか?
1968年に、カネミ倉庫製のライスオイルを食べた人たちに健康被害が出た事件です。健康食品と薦められ、体にいいと信じて飲んだり食べたりしていた人も多く、ひどい吹き出物などの皮膚症状を中心に、約14,000人が届け出、大きな社会問題になりました。
油に混入していたPCBが原因と言われてきましたが、現在では、ダイオキシン類(PDCFとコプラナーPCB)が原因物質と考えられています。
ダイオキシン被害という観点から、NGOが被害実態調査を行った結果、人体への生殖障害や全身病、さらには「黒い赤ちゃん」の出生といった次世代への影響など、深刻な状況が明らかになりました。今でも、多くの人が苦しんでおられます。
裁判に訴えた人たちが、国への訴えを取り下げた後で、以前に国から受け取った「仮払金」の返還を求められているという問題もあります。返さなければならないことを知らず、また生活苦と体調不良から医療費などに使ってしまって返せない人も多かったのです。
この問題について、与党カネミ油症問題対策プロジェクトチームが昨日、支払い能力のない人については特例で返還を免除する法案を今の国会に提出することを決めました。
大きな一歩です。今国会中、少しでも早く成立してほしい、残された課題への取り組みも進んでほしい、と思います。